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2006年07月22日

スピッツ・シュガーコーティングされた毒薬

魔法のコトバ

 スピッツの新曲「魔法のコトバ」。一度書いたが、発売されて手にして何度も聴いてみて確信した。とんでもない曲だよ、これ。もちろんいい意味で。

 ジャケ写を大きく載せてみたので、よく見てほしい。とても可愛らしいイラストだけども、ハチの子どもが左手に握っている四つ葉のクローバー。トゲがある。しかもそれを握っている左手からは血が滲み出ている。子どもは、それでも楽しそうな表情でぼんやりとしている。

 歌詞。ブリッジの部分の、花は美しい、トゲも美しい、根っこも美しい、「はず」という唐突な描写について、ずっと考えていた。しばらくして気がついた。もしかして、これこそが「魔法のコトバ」なんじゃないかって。
 冷静に何度も歌詞を眺めてみて、何度も曲を耳にして、ようやく分かった。これ、「妄想男のストーカーソング」だよ。ストーカーといえば、「HOLIDAY」(『隼』所収)が露骨だが、これも相当危ない。「約束しなくても、また会える」という状況、よく考えてみてほしい。
 トゲに刺されるように傷つけられても、根っこのように汚い部分が見えても、この主人公にとって「君」は美しい「はず」、という、どこかネジがはずれてしまったような妄想。

 この曲が、実は「気持ち悪い曲」だからイヤだ、と言っているのではない。こんな妄想を抱いてしまう、ボロボロになって人を想い、それでも思い通りにならない現実、そんなせつなさは、これまで何度も味わってきた。そんな「すれた心」にこの曲は、ダイレクトに響いてくる。草野と同年代のオトコとして、理解しあえる感情が共鳴する。

 もっと若い世代の、とくに女性の方は、もちろん違う聴き方、感じ方をすると思う。それはそれでいいと思う。スピッツの「魔法」にかけられているのだから。シュガーコーティングされた毒薬。そのコーティングされた部分を十分に味わうのも、このバンドの楽しみ方の一つだし、否定しない。でもその中にある毒に触れてこそ、「人生の意味」が分かるのかもしれない。

 スピッツの歌詞のほとんどが「魔法のコトバ」なんだよ。本当はね。

2006年07月06日

大江慎也と花田裕之

ORIGIN DUO~COUNTERATTACK 大江慎也&花田裕之ACOUSTIC LIVE(DVD付) 最近、疲れている。仕事が忙しいわけでもない。時々、人生や生活が分からなくなる。人から見れば、特殊な生活をしているせいだろうか。前が見えない。ダウナーな気分が続く。「人生って何だろう」〜同じことばだが、若い頃の焦燥感から来るものとは違う。別につらいわけではない。感情が平板になってきているような気もする。

 こんな時には、この人たちの音楽に寄り添ってもらうのがいちばんいい。静かに胸の中に入り込んできて、心をグラグラゆさぶってくれる。
 去年の5月28日(そういえば、会社を辞めさせられた直後だな)、花田裕之のソロライブにシークレットゲストとして登場した大江慎也。その2人のアコースティックギターだけによる演奏を収めたアルバム「ORIGIN DUO~COUNTERATTACK」。大江在籍時のルースターズの珠玉の名曲たちを聴かせてくれている。

 「Last Soul」「She Made Me Cry」「Hey Girl」「Case Of Insanity」「Sad Song」「I'm Swayin' In The Air」と続き、後半はR&Bナンバーのカバーや初期の名曲「Sitting On The Fence」、そしてロックン・ロールの祖の一人であるボ・ディドリーの「Mona」のカバーで終わる。大江ルースターズの最後のアルバム「φ」の最終曲から始まり、最後には自分たちのルーツにまで遡って終わる。恐らく、ここで大江は一度自分の来た道をたどっていき、総括した上で、「The Greatest Music」21世紀型ルースターズを作り上げたのだろう。

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2006年07月04日

スピッツ「魔法のコトバ」は明曲か?

魔法のコトバ スピッツ待望の(この、待望の、という形容詞、陳腐だよな)新曲、「魔法のコトバ」が7月13日に発売される。人気漫画の実写化映画「ハチミツとクローバー」の主題歌。まあ、売れるだろうね。

 結構、プロモVが流れ始めているし、某有名動画サイトにもアップされているので、全曲聴くことができた。草野本人曰く「おちゃめな曲」。ネットで散見する感想も「スピッツらしい可愛らしい曲」なんていうのが大勢。まあ、ハチクロの絵と、このジャケット、ミディアムテンポで、メジャーコードを中心にした穏やかで明るい曲調、と、ここまでやるか、と思うくらい「可愛らしさ」を“偽装”しているね。

 そう、この曲の持つ「闇」は果てしなく深い。そして、その意味において、これほどスピッツらしい曲はない。「正夢」「春の歌」「テクテク」と、この曲。ここのところのシングルはずっと同じテーマを歌っている。もう二度と会えない「君」への想いを抱えながら、「振り返りながらも」前を向いて生きていく。その切なさ、人生の重さ、しんどさ、癒されることのない悲しみ、無常観、諦観・・・ そういったものを軽やかに表現する「魔法のコトバ」。また一つ、名曲が生まれた。 

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2006年06月16日

wyolica、so-toの才能

帰り道 wyolica(ワイヨリカ)。1999年デビューの女性ボーカルの男女ユニットだが、もっとメジャーになってもいいアーチストだ。ものすごい才能を持っていると評価している。せつなさ、悲しみ、諦観といった情感を、過剰になることなく、隅々まで気が配られた繊細なサウンドで表現。バランスを保ちながら、誰もが持っている心の奥底にあるものをグラグラと揺さぶってくる。「世界」にどっぷりハマることのできる表現者だと思う。先日、少し心が弱っている時、電車の中でiPodを聞きながら、涙ぐんでしまった。

 またベストを選ぼうと思ったが、意味ないのでやめた。全部いいから。捨て曲が1曲もない。これって、長年、いろんなアーチストを聞いてきたが、めったにないこと。shikawa'sフェイバリットである、スピッツ、ニュー・オーダーだって、「これはちょっと」という曲がいくつかあるのに。
 あえて選ぶならば、アルバムでは「Folky Soul」、曲では「Mercy me〜いつか光を抱けるように(ドラマ「スカイハイ」のエンディングテーマ)」「もしも」「ありがとう」等がおすすめ。

 現在はユニットとしての活動を小休止中だが、この7月14日に、初の「2人だけによる」アコースティックライブを開催する。ファンクラブ先行予約の抽選に当たり、チケットはゲットした。彼らの音楽をナマ、しかも、大好きな「Folky Soul」スタイルで聞けるので、待ちきれない。

 作詞とボーカルを担当するazumi(結婚おめでとう!)はソロ活動中。作詞・作曲・サウンドプロダクションを一手に引き受けるso-toは、先日、asという女性ボーカリストに「帰り道」という曲を提供した。azumiのソロは、正直、あまりピンとこなかったが、「帰り道」はすばらしい名曲に仕上がっている。音は完全にwyolica(当たり前といえば当たり前)。しかし、azumiの「情感」の部分が抜けて、「乾いたせつなさ」がたまらなく胸に響く。これは、so-toのソロ作品としてみた方がいい。いや、恐るべき才能の持ち主だ。
 ただでさえ目立たないアーチストで、さらにazumiの個性の陰にかくれているが、so-toのクリエイティビティは、もっともっと評価されてしかるべきだ。

※mixi登録者の方は、上記のアーチスト、as本人がページを持っていますので、ご参照のほどを
 http://mixi.jp/show_friend.pl?id=1044093
※ついでに「wyolica」コミュニティ http://mixi.jp/view_community.pl?id=898

2006年03月31日

21世紀型ルースターズ!

THE GREATEST MUSIC(初回限定盤)(DVD付) 伝説のカリスマロッカー、大江慎也が純粋にソロ名義としては1989年発表の「PECULIAR」以来17年振りのニューアルバム「THE GREATEST MUSIC」を発表した。ソロ名義とはいうものの、バックを務めるのは、全曲、花田裕之(G)、井上富雄(B)、池畑潤二(Dr)。驚いた。第1期ルースターズとまったく同じメンバー。いろいろな権利のからみで、「ルースターズ」の名前が使えなかったのかも知れないが、これは完全な「ルースターズ再結成」だ。

 精神的に不調をきたしてルースターズを脱退した後、5年ほどソロ活動をした後、ほとんど引退状態に。何をしているのかもわからないまま、憶測と伝説だけを残して時が過ぎ、一昨年バンド「UN」名義で復活を果たした時にも驚いたし感激もしたが、アルバム自体は期待はずれだった。前編英詞のそのアルバムは、まったく大江の個性が感じられない、のっぺらぼうの作品だった。

 今回のアルバムは違う。胸に突き刺さる訥々とした日本語詞が復活している。音はルースターズ本来のソリッドなロックンロール。とくに目新しいことをしているわけではない。でも、そこにあるのは決して「懐メロ」ではなかった。「懐かしさ」なんてみじんも感じられなかったのだ。常に、自分と自分を取り巻く環境の「今」を歌ってきた大江。その姿勢は、十数年のギャップがあろうと変わっていなかった。その「今」とは何か。よれよれになりながら、自分と周囲の「ざらっとした違和感」と歌っていた十数年前。このアルバムにあるのは、その違和感の風を受けながらも、前を見てまっすぐに歩いていく一人の人間(Human Being)の姿だ。「俺はこうして生きてきた」「俺はこうして進んでいく」(I Dream)

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2006年03月26日

祝デビュー15周年・スピッツ My Best

オーロラになれなかった人のために スーベニア フェイクファー

 スピッツは1991年3月25日、1stアルバム「スピッツ」をリリース。ひっそりとメジャー・デビューを果たした。当時、いわゆる「音楽通」と呼ばれる人たちからは、「スゴいバンドが現れた」と評価され、「現代詩を歌うユニークなバンド」として音楽誌に取り上げられていた。しかし一般的認知度はとても高いとはいえず、1995年4月に「ロビンソン」が発表され一気に火がつくまでは、「ちょっとマニアックなバンド」として、コアなファンに支えられていた。今や、日本を代表するポップバンドの一つとして揺るぎない位置を確立している。1日遅れたが、祝・デビュー15周年。

 私が大学を何とか卒業したのも、1991年3月。社会人になろうとしながら、バンド活動を続けていた私は、音楽誌で名前と評判を聞いて、CDショップで「スピッツ」を手にした。巨大なヒトデの絵(当時何だかわからなかった)のジャケット。ひっくり返すと「海とピンク」「死神の岬」「夏の魔物」「うめぼし」といった気味の悪いタイトル群。正直、インディーズっぽさがムンムンしていた。とりあえず買って聞いた。第一印象「地味なバンド」。もう1回聞いた。もう1回聞きたくなって、もう1回聞いた。さらにもう1回聞きたくなって、もう1回聞いた。その日から、平均3〜4回聞く日が何日も続いた。完全に麻薬。その効き目は15年間たっても薄れていない。スピッツの曲の「質」は、まったく変わっていないから。

 15周年を記念して、シングルコレクションが2枚発売された。この件については、以前に書いた。絶対に間違えてほしくないのだが、これは断じて「ベストアルバム」ではない。単にシングルを集めただけの「リサイクル品」だ。だから、買わないし、スピッツのファンになってほしい人にも買ってほしくない。買ってもいいが、買ったら、是非、他のアルバムも聞いてほしい。シングルだけでは、スピッツの魅力は正しく理解されない。そういう危険性を秘めたリリースなのだ。まあ、「リサイクル」よりは、はるかにマシなのだが。

 15周年を記念してshikawaのマイ・ベストを選んでみた。

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2006年02月23日

最近(?)のUKロック

The Back Room In Motion カサビアン

 最近は、新人バンドでも「お、これは斬新だ」と思える音に出会えることが少ない。いや、最近に限らず、本当に斬新な音には、そうそう出会えるものではないのだが。既視感ならぬ「既聴感」しか感じられないバンドが多い。特に洋楽。宇多田ヒカルの曲の方が、気がつくと凄まじい音を出していることがある。長く音楽を聴いていると、つい「これは何々の焼き直し」「単なるコピー」「何々と何々をミックスした」などと、過去のバンドを引き合いに出して、安易に紹介したくなる。

 上のジャケ写の3枚。左から、Editors、Copeland、Kasabian。いずれもUKから登場し、それなりに注目されているニューカマーたちだ。最近、shikawaのiTunes再生ローテーションにのることが多い。
 この中で、一番気に入ったのは、Editors。「編集者」という他人事ではないバンド名から、よっぽどひねくれた音を出すバンドかと思ったが、意外と、ストレートなギターロック。別にいろんな音を編集している訳ではない。でも、そのストレートさが、かえって個性になっている。U2、Coldplayなんていう名前を出してもいいのだが、それらとも違う、独特の雰囲気を持っている。「今、ここにいる。でもここがどこだか分からない」。別にそういう歌詞があるわけではないのだが、音の中から聴こえてくるのは、そんなメッセージだ。「整然とした混沌」とでも表現しておこう。まあ、この手のギター主体の音が好きな人には、安心して聴けるバンドだ。人によっては、ただのUKギターロックだが、「何か」が嗅ぎとれる。次のアルバムが出る頃には、その「何か」を言葉で表現できるかもしれない。レーベルがキッチンウェア。懐かしいねぇ、プリファブ・スプラウトのレーベルだよ。

 Copeland。「透明感を加えたColdplay」。「Coldplayのくせに、最近の曲は何か暑苦しいな」と感じている人にはおすすめ。Queenを感じさせる曲もあったりして、ちょっと面白い存在かもしれない。

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2006年02月18日

スピッツ・シングルコレクションについて

CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection (初回限定盤8cmCD付)CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection (初回限定盤8cmCD付)  「CYCLE HIT 1991-1997 Spitz Complete Single Collection」「CYCLE HIT 1997-2005 Spitz Complete Single Collection」(ともに3月25日発売予定)。所属事務所とバンドサイドからの、異例の言い訳めいたコメントとともに、この2枚のアルバムの発表がアナウンスがあって以来、正直、考え込んでしまっている。デビュー以来、評価し続け、常にフェイバリット・アーチストであった「スピッツ」というバンドに対して、このアルバムを歓迎するのが正しい姿勢なのか否か。ひいては、「音楽のパッケージ化とその売買」という結論の出ないテーマに入り込んでしまい、非常に悩ましい。

 スピッツは、表現者として間違いなく一流だし、日本の音楽業界が世界に誇りうる才能を持ったバンドであることは、断固として主張したい。才能と人気、自分たちの表現したい極めてユニークな感性とセールスが結びついている希有なバンド。そして、私は次の2点において、アーチストとしてのポリシーの潔さを感じ、ファンであることに誇りを持っていた。それは「シングルにカラオケバージョンを収録しないこと」と、「安直なベストアルバムを出さないこと」だ。

 以前の投稿に書いたように、私はベストアルバムが嫌いだ。スピッツの「リサイクル」はアーチスト側の意向を無視する形で、レコード会社の都合でリリースされ、皮肉なことに莫大なセールスを記録した。今回の2枚のリリースは、「リサイクル」を葬り去るため、というのは理解できなくはない。おそらく、リサイクルをはるかに超えるセールスとなるだろう。

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2006年02月16日

クラップ・ユア・ハンズ!

クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー ニューヨークから得体の知れないバンドが出現して話題になっている。「クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー」。そう、これがバンド名。完全自主制作盤のタイトル「クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー」。んでもって左のようなジャケット。「お手手たたいて、ハイっていいましょーね」(やさしい保育士さん)。

 ヘロヘロの投げやりボーカル。スカスカのチープな音。あーあー懐かしい、、、というか、妙に耳に馴染んだ音だ。これって、一般的には「新鮮」なんだろうね。いろんな懐かしいバンド名が引き合いに出される。トーキング・ヘッズ(ボーカルスタイルは似てるが、デビット・バーンの方がずっと真面目)、キュアー(そんなにねちっこくない)、ペイブメント(単にチープってとこだけだろ、似てるのは)。要は正統的80年代ポストパンク/ニューウェーブの音。shikawaの青春の音。

 「権力の美学」の頃のニューオーダーに通じるところもある。ダイナソー・JRなんて名前もあげられよう。あと、みんな忘れている。これの元祖は、ベルベット・アンダーグラウンドだよ。ニューヨーク出身だしね。
 いろいろと名前を挙げたが、実は、どれにも似ていないのよ。それが、このバンドのつかみどころのないところ。個性がないっと思えばそうとも言えるし、超個性的って言われれば同意できる。1枚聞き終わると、妙にさっぱりした気分になる。なんか、どーでもよくなる。くらっぷ・よーあ・はーんず。何か、これ、1枚で終わっちゃう気もするし、何十枚も、成長も陳腐化もせずダラダラと出し続ける気もするし、展開が読めんな。まあ、読まんでもいいか、こんなバンド(褒め言葉)。

 あ、終わった。また聞こうっと。

2006年01月14日

フリーウェア iRequest 公開 !

 最近、iTunesの曲整理やら、2台のMacをつないでどうたらと、面倒な作業が必要な場面が多かったので、いろいろとフリーウェアを探して、なるたけ効率よくできるように工夫していたのだが、あんまりいいのがない。効率よくやろうとして、ソフト探すのに時間がかかってしまう。そこで、簡単なものは自作してしまおう、ということで、手始めにAppleScriptをいじり始めた。そしたら、ハマっちゃって。

 まったくの初心者ですが、自作アプリ第1号を公開します。AppleScriptで作った単純なアプレットです。検証も何もしていないので、よかったら自己責任で使ってください。まあ、単純なプログラムなので、悪さはしないと思います。開発環境は、MacOSX 10.3.9、ProjectBuilder2.0です。

題して iRequest。iTunes用の曲選択ソフトです。

ダウンロードはこちらから。

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2006年01月06日

オールタイム・マイ・ベスト邦楽編

TRIPLE BARREL シフクノオト fruits and roots This Armor

 邦楽編を、洋楽編に引き続き作成。スピッツを入れようとしたらスピッツだらけになってしまったので、今回はスピッツ抜きのベスト30ということで。スピッツ編は、また気力があるときにやろう(選ぶのが結構たいへん)。

 邦楽は洋楽とは反対に、90年代の曲が中心になった。日本のミュージックシーンは、90年代に大きく成長したのだと思う。先日、CSのスペースシャワーTVで80年代特集をやっていたのを見て、つくづくそう思った。懐かしかったが、当時は、音楽が「ファッション」と「実験」の二極化していたと思う。90年代から今にかけて、それぞれが近づき、ブレンドして成熟したミュージックシーンができあがっていったのだと思う。

 ランキングについてコメントはしないが、13位の「すばらしい日々」は矢野顕子によるユニコーン後期の楽曲(ラストシングルだっけ?)のカバー。これまで聞いた中で、もっとも美しく、エモーショナルなカバー曲だと思う。

 Amazonへのリンクはこちらから。

順位/曲名/アーティスト/アルバム/リリース年
1/Jive My Revolver/Tokyo No.1 Soul Set/Triple Barrel/1998
2/HERO/Mr.Children/シフクノオト/2004
3/名もなき詩/Mr.Children/深海/1996
4/FIND THE WAY/中島美嘉/LOVE/2003
5/Mercy Me 〜いつか光を抱けるように〜/wyolica/Fruits & Roots/2003
6/光について/GRAPEVINE/Lifetime/1999
7/1000のタンバリン/ROSSO/DIRTY KARAT/2004
8/流星群/鬼束ちひろ/This Armor/2002
9/天体観測/BUMP OF CHICKEN/jupiter/2002
10/天使たちのシーン/小沢健二/犬は吠えるがキャラバンは進む/1993

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2006年01月03日

オールタイム・マイ・ベスト洋楽編

No Diceスマイルテクニーク Brian Wilson (Dlx)

新春特別企画でマイ・オールタイム・ベスト曲を選んでみた。まず、洋楽編で30位まで。
 やはり、80年代の曲が多いね。自分の年でいえば、15歳から24歳まで。いちばん感受性の強い時期(いまが弱っているということではない。念のため)に聞いた曲だからというのもあるけども、90年代から今までに、洋楽シーンに「残る」曲が少なかったような気がする。よく聞いていた90年代バンド、ダイナソーJr.、ギャラクシー500、ストーンローゼス、ペイルセインツ、ハッピーマンデーズ、ラッシュ、ライドなどの中では、ギャラクシー(ピエールエトワールも含む)とローゼスしか入っていない。ニューオーダーにしても、やはり80年代の方が名曲が多い。
 まあ、90年代が音楽的に不作だったということではなくて、個人の感性との関係だと思う。それから、おそらく90年代は邦楽の方に勢いがあったのではないか。

 1位と2位についてだけ。1位は、シンプルでいながら純粋に“泣ける”曲。カバーもたくさん出ていて、いちばん有名なのはニルソンのバージョンなんだけど、バッド・フィンガーのオリジナルの方が、真摯な感情がストレートに入ってくる。ちなみにバッド・フィンガーは、ビートルズの作ったアップルレコードからデビューし、数枚アルバムを残しているが、ボーカルのピート・ハムが自殺している。今気がついたけど、ベスト10のうち、プリファブ以外は、メンバーとか前身のバンドのメンバーが死んでいるね。
 2位は、本当は、ビーチボーイズ名義のブートレッグに入っているピアノ伴奏だけのバージョンがたまらなく好きなんだけど、一応完成バージョンとして、一昨年発売されたアルバムのものを入れた。ブライアン・ウィルソンが精神的に壊れる寸前に産み出した奇跡的に美しいメロディー。何度聞いても、イントロが鳴った瞬間に心が凍りつく。

 なお、セレクトした曲の入っている各アルバムのリンク集はこちら。Amazonのページにリンクしているので、そこから買ったり、他の人のレビューを見たり、運がよければ視聴することができる。洋盤のアマゾンページを見るコツは、アーチスト名をクリックして、同じアルバムの輸入盤やリイッシュー盤があれば、そちらも見てみること。別のレビューや、視聴コーナーがあったりするし、値段が違ったりする。あと、マーケットプレースは、ヤフオクなんかよりも面倒くさくなく、安く手に入れることができるので、穴場。私もよく利用している。

順位/曲名/アーティスト/アルバム/リリース年
1/WIthout You/Badfinger/No Dice/1970
2/Surf's Up/Brian Wilson/Smile/2004
3/Vanishing Point/New Order/Technique/1989
4/Melt Away/Brian Wilson/Brian Wilson/1988
5/True Faith/New Order/Substance/1987

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2005年12月28日

2005年総括(音楽)

スーベニア OUTSET I LOVE U ウェイティング・フォー・ザ・サイレンズ・コール

 2005年もあとわずかになってしまったので、31日まで、カテゴリー別に1年の総括をしてみたい。

 まず「音楽」。今年は、いろいろあって自宅にいることが多かったので、例年よりたくさんの曲を聴いた。iTunesとiPod(去年買ったshuffleがあえなく壊れてnanoを買った)を駆使して。iTunesの曲ライブラリも増えて、現在、3965曲。
 スピッツ、ニューオーダー、Tokyo No.1 Soul Setなど、前から好きだったアーチストが力の入った新作をプレゼントしてくれた。中島美嘉、wyolica、Everything But The Girl、Coldplay、Mr.Childrenなどのアーチストの素晴らしさを(再)発見することができた。ブライアン・ウィルソンの歴史的ライブに立ち会うことができた。自分にとっての2005年の音楽シーンは、まあよかったような気がする。生活、感情、思考に、常に音楽が寄り添ってくれた1年だった。

 以下に、2005年に発表された作品の中から「My Best 10 Songs」「My Best 5 Albums」そして「Most Impressive 5 Artists」を発表する。

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2005年12月21日

ベストアルバム反対主義

BEST 色色衣 RECYCLE Greatest Hits of SPITZ

 いわゆる「ベストアルバム」が嫌いで、好きなアーチストでもなるべく買わないようにしている。いや、好きなアーチストだから買う必要がないのか。ほとんど持っているわけだから。興味を持ったアーチストに関しては、いろいろ調べて、まず、「ベストアルバム」ではなく、「ベストな」アルバムを手に入れることにしている。つまり、代表作ね。それを聞いて、他をどういうふうに聞いていくかを判断する。
 困るのは、ベストアルバムに、レアトラックが入っているときね。商魂たくましいよね。買っちゃうじゃん。最近では、中島美嘉がデビューアルバムにはいっている「Amazing Grace」を綾戸智恵と一緒に再録してたり、スピッツの「色色衣」に、インディーズ時代のカセットに入っていた曲が入っていたり。
 ベストアルバムは、「作品」じゃなくてプロモーション・ツールだね。以前、スピッツのベスト「リサイクル」のライナーに、本人たちが「出したくて出したんじゃない」とレコード会社への不満を書いていたのが面白かった。彼らは、大売れしたあのアルバムを作品と考えていない。タイトルのつけ方を見れば分かる。皮肉がきいている。
 そう、ベストアルバムの中の曲は、以前出した曲の“リサイクル”でしかない。制作費を考えれば、もっと安くていいはず。新録や未発表曲が入っていたとしても、シングルぐらいの値段でいいんじゃないか。

2005年12月16日

池田綾子

僕たちのTomorrow また一つの「声」と「才能」を見つけた。池田綾子。ちょっと前の曲だけど、「僕たちのTomorrow」、いい曲だと思う。「永遠なんて時 いらないから 明日逢いたい」というサビのフレーズに、グッと来た。中島美嘉やwyolicaのようにハマるほどではないが、そっとそばに置いておきたいアーチストだ。

 この曲には、クリスマスにぴったりの仕掛けもあるので、これからの季節、おすすめ。

2005年12月12日

iTunes再生回数ランキング

 たまたま見つけた「fab UK Rock」さんの記事にインスパイアされて、自分もiTunes再生回数ランキングを作ってみた。

順位 / 曲名 /アーティスト名 / 収録アルバム / 再生回数

1/春の歌/スピッツ/スーベニア/53回
2/Century's End/Donald Fagen/Bright Lights, Big City Soundtrack/50回
3/Meet Me In The Morning/Everything But The Girl/エッセンス&レア/38回
4/Melt Away/Brian Wilson/Brian Wilson/37回
4/Deacon Blues/Steely Dan/Aja/37回
4/海を見に行こう/スピッツ/三日月ロック/37回
4/FIND THE WAY/中島美嘉/LOVE/37回
8/One For The Boys/Brian Wilson/Brian Wilson/36回
8/正夢/スピッツ/スーベニア/36回
8/RESISTANCE/中島美嘉/LOVE/36回
8/You send me love/中島美嘉/LOVE/36回

 うーん、やっぱり名曲揃い、というか本当に好きな曲が並んでいるな。会社に通勤していた頃はiPodでいつも全曲シャッフルしていたので、たぶん違うものになっていると思う。最近聴いている曲が多い。スピッツなんかは、他のアルバムももっと聴いていたはずなんで。
 それから、複数のアルバムに入っていたり、シングルが出ていたりする曲もあるんで、実際はもっと多い曲があるんだろうな。面白い(自分だけか)から、またしばらくしたらやってみよう。

2005年12月11日

New Order仕様のiPod

noipod.jpg 今頃何言ってんだって感じだけど、これ、欲しい!! ニュー・オーダーマニアとしては、垂涎もの。ドイツ製というのが渋いね。どっかで手に入らないかな。情報求む!

2005年12月10日

中島美嘉の非凡さ

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 ファースト・アルバム「True」を手に入れ、Nana名義を含め、中島美嘉の曲がすべて揃った(この間発売になったBEST除く)。とにかく、前にも書いた「声」という面では、私の中ではこの人にかなう人はいない。耳から入ってそのまま胸におりてきて染み込んでいくような、実に気持ちのいい声。いや、ほんとうに「気持ちのいい声」という形容しかできない。

 だからといって、バッキングトラックや歌詞がどうでもいいというわけではない。この天性の声を生かしている曲はやはり素晴らしいし、殺してしまっている楽曲を聴くととても残念に思う。Nana starring Mika Nakashimaは失敗。ラルク・アン・シエルは好きでも嫌いでもないが、他の彼女の楽曲に比べると、音作りが雑だ。
 そう思っていた。でも、間違っていた。中島美嘉という非凡なボーカリストをなめていた。「GLAMOROUS SKY」を、「ああ、うるさいギターだな」と思いながら聴き流していると、中ほどの「眠れないよ!」という、彼女にしかできない、吐き捨てるような、それでいて艶のあるシャウトに、ハッとさせられる。このワン・フレーズが曲のイメージをがらりと変える。

 自分にとって中島美嘉のベストトラックは「Find the Way」(シングル、アルバム「LOVE」収録)。PVもいい(「FILM LOTUS 3」収録)。いや、いいとしか言いようがない。本当に好きな曲はそういうものだろう。
 公式サイトのページ(クリックすると音楽が流れるので注意)

2005年12月09日

ジョン・レノン没後25周年に思うこと

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 ジョン・レノンが凶弾に倒れて25年たった。今、CSのフジテレビ721で追悼特集をやっている。
気がついたら、自分がジョン・レノンが死んだ歳になっていた。ちょっと感慨深い。いろんな人生がある。

 テレビでは、懐かしいライブ・イン・ニューヨーク・シティを放送している。「All we are saying is Give Peace a Chance」。
 久しぶりに「インスタント・カーマ」を聴いた。「Well we all shine on(僕たちはみんな輝くんだ)」。ジョン・レノンは生涯、「自分は普通の人間だ。誰もが同じように輝けるんだ」と呼びかけていた。
 インターネット、ブログが普及し、誰もがその気になれば、自分を表現できる。「輝く」ことができる。時代がジョン・レノンに追いついたなどと月並みなことは言いたくないが、生涯、とことん自分に正直に生きた男が考えたことは、普遍的な真実だったのだろう。

2005年12月07日

EBTGとスタイル・カウンシル

【CD】 【初回生産限定特別価格盤】 ザ・スタイル・カウンシル/カフェ・ブリュ(初回生産限定盤... 知らなかった。スタイル・カウンシルのこの名盤「カフェ・ブリュ」にEBTGメンバーが参加しているなんて。「The Whole Point of No Return」は、ベン・ワットが、あの、頭を軽く揺さぶって心を鎮めてくれるような特徴的なギターサウンドを聴かせる。ソロ作「North Marine Drive」のボーカルを、そのままポールウェラーに取り替えた感じ。「The Paris Match」のボーカルはトレイシー・ソーン。これは、まんま「エデン」だ。いい曲なんだな、これが。

2005年12月04日

wyolicaとEBTG

 最近ハマりまくっているアーティストは、邦楽ではwyolica(ワイヨリカ)と、洋楽ではEverything But The Girl。一度ハマるとリリースされている音源を全部集めないと気が済まないたちなので、あらゆる手段(こんど詳述する)を講じて安い値段で、ほぼ全部揃えてしまった。

 この2つのバンド、共通点は男女のデュオで心地よい女性ボーカルと、男性によるセンスのいいサウンドプロダクション(EBTGの男性、ベン・ワットの声もすばらしいが)。とにかくどのアルバム、シングルにも捨て曲がないのには驚いた。最近、当たり前のことかもしれないが、究極、音楽は「声」と「サウンド」がどれだけ気持ちよく、心に入ってくるかということに気がついた。歌詞に感動することもあるが、それなら読むだけでいい。いい歌詞でも、音がよくなければ心に響かない。

 というわけで、今、「声」を追求している。とくに女性ボーカル。追々、紹介していく。
wyolicaとEBTGに関しては、ベストアルバムが出ているので、まずそこから聞いてみるのもいいが、どのアルバム、シングルもおすすめ。ただ、EBTGは、初期のボサノヴァ、フォーク、ネオアコサウンド、中期のAOR、最近のドラムン・ベース、クラブサウンドと、音が変化しているので注意が必要。トレーシー・ソーンの声は圧倒的なので、どのサウンドにもマッチしているが、サウンドが合わない人もいるかもしれない。amazonへのリンクは下記。
wyolica  Everything But The Girl

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