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最近(?)のUKロック

The Back Room In Motion カサビアン

 最近は、新人バンドでも「お、これは斬新だ」と思える音に出会えることが少ない。いや、最近に限らず、本当に斬新な音には、そうそう出会えるものではないのだが。既視感ならぬ「既聴感」しか感じられないバンドが多い。特に洋楽。宇多田ヒカルの曲の方が、気がつくと凄まじい音を出していることがある。長く音楽を聴いていると、つい「これは何々の焼き直し」「単なるコピー」「何々と何々をミックスした」などと、過去のバンドを引き合いに出して、安易に紹介したくなる。

 上のジャケ写の3枚。左から、Editors、Copeland、Kasabian。いずれもUKから登場し、それなりに注目されているニューカマーたちだ。最近、shikawaのiTunes再生ローテーションにのることが多い。
 この中で、一番気に入ったのは、Editors。「編集者」という他人事ではないバンド名から、よっぽどひねくれた音を出すバンドかと思ったが、意外と、ストレートなギターロック。別にいろんな音を編集している訳ではない。でも、そのストレートさが、かえって個性になっている。U2、Coldplayなんていう名前を出してもいいのだが、それらとも違う、独特の雰囲気を持っている。「今、ここにいる。でもここがどこだか分からない」。別にそういう歌詞があるわけではないのだが、音の中から聴こえてくるのは、そんなメッセージだ。「整然とした混沌」とでも表現しておこう。まあ、この手のギター主体の音が好きな人には、安心して聴けるバンドだ。人によっては、ただのUKギターロックだが、「何か」が嗅ぎとれる。次のアルバムが出る頃には、その「何か」を言葉で表現できるかもしれない。レーベルがキッチンウェア。懐かしいねぇ、プリファブ・スプラウトのレーベルだよ。

 Copeland。「透明感を加えたColdplay」。「Coldplayのくせに、最近の曲は何か暑苦しいな」と感じている人にはおすすめ。Queenを感じさせる曲もあったりして、ちょっと面白い存在かもしれない。

 そして、曲者がKasabianだ。前にClap your hands say yeahのレビューで、「80年代の音」と書いたが、これは懐かしい「90年代初期の音」。そう、マンチェスター・サウンドだ! ギターとエレクトロニックを巧みにロックサウンドに融合させたダンスサウンド。どう? どっかで聴いたことがあるフレーズでしょ? これ。頭に浮かぶバンド名:ハッピー・マンデーズ(それほど癖はないが似ている)、ストーン・ローゼズ(それほどの「やったるぜ」感がない)、プライマル・スクリーム(いちばん引き合いに出されるのがこの名前なのだが、似てるかなぁ)等々。サマソニ等で気を吐いたそうだが、確かにグルーヴ感がある。でも、今名前を出した3つのバンドほど、音が前に出てこない。インパクトがないのだ。でも悪くないのよ。聴いていて気持ちのいい音は出している。「マッドチェスター」を知らなければ、結構楽しめる。このバンドを聴いて気に入ったら、是非、さっきの3バンドを聴いてみてほしい。

 改めてじっくりと聴いてみると、3バンドとも、「時代の音」であることは間違いないんだよね。「何だかわからない、焦燥感と不安感を突き抜けた諦観」、暫定的にこの言葉をここに置いておく。Coldplayについては、こんどじっくりと感想を書いてみたい。

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コメント

自己コメント。CopelandはUKじゃなかった。アメリカ。消費者金融のCMじゃないが、「ちゃんとカクニンしなくちゃね」。それから、Editors、「ジョイ・ディヴィジョンの再来」なんていうレビューもあった。どうりで気になるわけだ。でも、似てないよう。

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